高齢者虐待を防ぐには

2005年1月28日 15時25分 | カテゴリー: 活動報告

虐待する側、される側の双方が被害者

平成16年3月、 厚生労働省が発表した「家庭内における高齢者虐待に関する調査報告書」では「虐待者、高齢者の性格や人格」、「高齢者と虐待者のこれまでの人間関係」、「配偶者や家族・親族の無関心」、「介護疲れ」や「経済的困窮」などさまざまな要因で虐待行為が起こっている現状が明らかになりました。

「介護は家族や嫁、娘がするもの」という昔ながらの風潮が、ストレスやプレッシャーとなり「暴言、威圧、侮辱、脅迫」や「嫌がらせ、無視」といった「心理的虐待」や「暴力、ネグレクト(介護放棄)」といった「身体的虐待」などへと介護者を自覚のないまま追い込んでしまうこともあります。虐待行為を非難するのではなく双方が被害者であると言う視点にたち、介護家族等への理解と適切な支援がなされるべきです。

高齢者虐待防止ネットワークを確立し、診断マニュアルの作成を

2025年には3人に一人が高齢者になると見込まれており、高齢者世帯や高齢者の独居世帯が急増すると予測されます。できるだけ在宅で自立し、生きがいを持って自分らしく生活するために、高齢者だけではなく障がい者も子どもも、支え合いながら一緒に過ごすデイサービスなど地域での取り組みが欠かせません。

介護保険制度は、家族が抱え込まない介護を当たり前のこととして始まった制度ですが、身近な地域での相談窓口や緊急ショートステイ、お互いに支えあう見守り等のケア体制が、まだまだ充分とは言えず、使いこなせていない現状です。虐待を防ぐには、誰にでも起こり得るということを前提に、虐待とみなされる行為についての共通認識をケアマネジャーやヘルパー等介護従事者のみならずボランティアも含めた、介護に携わるすべての人がもつことが必要です。

市民の意識啓発や介護に従事する人すべての資質向上を計る一方、虐待の早期発見や虐待行為が明らかになった場合の適切な対応のためには、さまざまな関係機関が連携協力して、高齢者虐待防止ネットワークを確立し、きちんとした診断マニュアルで対応していく必要があります。