人工呼吸器は「生活の道具」

2008年11月7日 12時45分 | カテゴリー: 活動報告

自立生活も子育ても、出来ないことは何もない

11月1日、CILくにたち援助為センター主催の「しょうがいをもつ人と共に生きる を感じよう」に参加しました。

■人工呼吸器は人生のパートナー
ポータブルの人工呼吸器(ベンチレーター)を電動車いすの下に積み、リクライニングを倒した状態で語る佐藤きみよさん。日本で初めて工呼吸器を使用して自立生活を始めた人だ。安全に使えば、体が楽に元気に生活ができる。自分の姿を多くの人に見てもらうことで、人工呼吸器に対する偏見をなくしたいという。
進行性脊髄性筋萎縮症で12歳の時から人工呼吸器を使用。手鏡で外を見ながら、外の世界に憧れるきみよさんに、医者は「夢を見てはだめ。一生病室でしか生きられない。」と告げた。「あの冷たい雨に打たれてみたい。3日でいい、死んでもいいから外で生きてみたい!与えられた食事ではなく、朝には紅茶を入れて、パンを焼いて・・」
1990年27歳で病院を出て、パートナーとの自立生活へ。96年に「自立支援センターさっぽろ」を設立。「ベンチレーター使用者ネットワーク」の代表も務めている。

■自分らしい子育ては、愛情いっぱいの言葉かけ
02年にはフイリピンから養子として1歳になる子を引き取り、パートナーと一緒に子育てを始めた。しかし泣いても抱くことも、ミルクをあげることも、おむつを替えることもできない。森香ちゃんがヘルパーになついていくことが辛くてたまらなかったという。そんな時「あなたらしい子育てをすればいい。」というパートナーの言葉がきみよさんを変えた。「教科書にある母とは、親とはこうあるべきという幻想にとらわれている自分に気がついた。子どもを愛することが親の仕事。様々な親子の形、子育ての形があっていい。私は愛情いっぱいの言葉をかけ、絵本を読み、唄を歌い、一番の相談相手になれる。子どもにとって大切なのは血のつながりでも、マニュアル通りに育てることでもない。お互いに助け合い、多くの人の手を借りながら、たくさんの愛情の中で育つこと」と語る。
「普通」を求める子育てに重圧を感じている人が多い中で、きみよさんのこの「子ども観」を基軸にした、子育て支援のあり方がこれから求められてくるのだろうと感じた。

■障がい者が動くとまちが変わる!
札幌三越の地下街の美味しいケーキが食べたい。「スロープを付けて!」2年にわたる三越への要望はやがて実現に向けての共同作業になり、完成時には三越職員と手を取り合い感激で泣いた。熱意と信頼で人は変わる。他の店もスロープが付きはじめ、お年寄りにもベビーバギーにもやさしいまちになった。障害者にしかできない仕事があるのだ。10年かけて札幌市の24時間の介助保障も実現した。

★札幌市で既に18年間、重度の障がい者として自立生活を実践する佐藤きみよさんは「パワフルに生きて楽しむ」活動家でした。
                             中村みほこ