民家開放型、子育てカフェ・ジジハウスを訪ねて

2009年12月8日 15時58分 | カテゴリー: 活動報告

11月26日、目黒区でNPOわき・あい・あいが運営する、あかちゃんのための居場所を見学してきました。商店街に近い住宅地の小さな路地を曲がると、ガーデニングされた庭とウッドデッキが見えてきて、まずは犬がお出迎え。プレママから2歳までを対象に、代表の齋藤さんが自宅の1階部分を年中無休で午前10時から午後5時まで開放しています。お茶を楽しむウッドデッキで夏はプール遊び。庭に面した喫茶・食事のスペースとおもちゃや滑り台がある12畳の和室ではのびのびと這い這いやお昼寝もできます。利用料500円で食べ物・飲み物は持ち込みOK。一日中、自由に過ごせるのがGood!一人で訪ねても家族的で自然に会話も弾み、ママ友のできあがり!ママたちが持ち込みの食事でひと息つく間は、専任スタッフがあかちゃんを見守ってくれます。混みあってスタッフの手が足りない時は「手伝ってください」と声をかけるそうです。これも「お互いに子育てを助け合う」練習と、お友達作りのきっかけになるから。確かにそうですよねー。家では孤独な子育てに、ついイライラしてしまうママ。そんなママに不安で離れられない子ども。でもここでは、ママのリラックスした会話(声)が聞こえるので、離れていても子どもは安心して遊んでいられるのだそうです。庭を眺めていると、まるで実家に戻ったような雰囲気。これが何となくのんびり気分を誘う要素かも。まず孤独な育児から抜け出す場を提供することが、こころの健康を取り戻す第一歩ですね。   

■子どもが主役の「子ども支援」
4月のオープン以来、半年で利用した親子は区内外から600組。平均的な利用者像は30代で第一子出産、以前は働いていて出産前後に目黒区内のマンションに居住し、地縁がないため日々の生活は母子関係だけになりがちな方です。育児や家庭のことなど、何らかの問題や課題を抱えていると感じるそうです。
ここの特徴はあくまでも子どもが主役の「子ども支援」であること。親を主体にした子育て支援ではありません。「すべて子どもに最善の育ちを」とイギリスで始まった早期教育・保育・保健・家族支援をワンストップサービスで行うシュアスタートの活動も「はじめの一歩」と名付けて開始。子育て家庭の情報バンクとして、行政や地域の情報も受信・発信しています。専門スタッフは社会福祉士・精神保健福祉士・カウンセラー・保育士・保健師・栄養士等で構成され、個別相談も行っています。でも大事なことは“ママの自己回復力”。ここへ来てママたちとのおしゃべりの中で解決できるように、あえてスタッフから話しかけることしません。ただし「困らなくても大丈夫!」というインフォメーションを常に発信していることが必要だということです。
スタッフは全員有償ボランティア。目黒区子育てカフェ事業の助成を受けても、運営は厳しいのが現状。単なる部屋貸しにしないためには、ミッションをしっかり持つことが大事だという言葉がとても印象的でした。
目黒区には「子ども条例」があります。子どもの最善の利益を優先に「行政ができないところを民間が補う」新たな取組みでもあります。これからの活動に注目していきたいと思います。  

■「子どもの育ち」が未来を変える
稲城には子ども家庭支援センターがありますが、市内の地理や交通事情の不便さ、また、子育て世代の新住民が年々増加している現状などを考えると、もっと身近なところにも欲しいという要望があがるのも当然です。児童館の子育てサポーターの日はなかなか内容の進展が見られません。民家でなくても、マンションの空室や空店舗、不要になった2世帯住宅など、稲城らしい「子ども支援」の取組みが地域の市民の手で始まるといいですね。
稲城市には子どもの権利条例がありません。近い将来、この稲城を担う子どもたちをどう育てていくのか。市民全体の合意として進めていくために、条例は不可欠です。「子ども支援」に対するミッションをはっきり打ち出してほしいものです。それが子どもの育ちを応援する大人たちの指標にもなるのですから。