労働「京都ジョブパーク・ライフ&ジョブカフ都」

2013年5月2日 16時20分 | カテゴリー: 活動報告

■京都ジョブパーク(京都総合就業支援拠点)設立までの経過

2003年8月 全国4番目の「若年者就業支援センター」を設置(通称ジョブカフェ京都)

2004年3月 無料職業紹介事業を開始

2004年4月 国のジョブカフェモデル地域に採択される。全国15箇所(~2007年3月)

2006年10月 京都雇用創出活力会議※が公労使で運営するジョブパークの開設を決定

※厳しい雇用情勢の下、行政・労働者団体・使用者団体の代表者が一堂に会

して「オール京都」体制で雇用対策のあり方・全体戦略等を協議する会議

2007年4月 ジョブカフェ事業のノウハウを活かして女性・中高年齢者等へも支援を拡大する京都ジョブパークを開設

 

■京都ジョブパークのコンセプト

①    全国初の公・労・使による共同運営方式 

公=京都労働局・京都府・京都市、労=連合京都、使=京都経営者協会

②    京都労働局・ハローワークとの連携によるワンストップ機能

  専門カウンセラーの相談からハローワークの職業紹介、就職定着支援まで

③    「働きたい」みんなのニーズに応じたきめ細かな支援

若年者、中高年齢者、女性、ひとり親、障がいのある方、福祉、農林水産業に就職を希望する方のための専門コーナーを設置し、担当制によるカウンセリングを中心にきめ細かく支援

④    全国初の企業応援団を結成

京都企業がセミナー講師や職場体験の受け入れなどに協力し、ジョブパークを支える

 

■2012年4月リニューアル

全国初、国と地方の完全一体型ジョブパークとして機能強化

・住居地のハローワークでしかできない業務を一体的に可能にした

・労働局に返還した無料職業紹介事業の権利を再取得した

上記の結果

①    ジョブパーク内でほぼ全てのハローワーク機能が利用可能

雇用保険の認定や職業訓練の手続きがワンストップで行えるようになり利便性がUP

②    ハローワークの受講指示等の権限や京都府が実施する職業訓練事業等を生かし、新たなジョブパーク塾を開始

③    ハローワークによる職業紹介に加え、京都府の無料職業紹介事業の実施によりさらにきめ細かいマッチングを実施

④    職業紹介を通じ喫緊の課題である大学生等と中小企業とのマッチングを強化

 

施設概要

・商工労働…ジョブパーク

・保健福祉…自立支援就労サポートセンター

・男女共同参画…マザーズジョブカフェ

 

■京都テルサ西館3階ジョブパークフロアマップ

①    総合受付・相談(窓口企画をパソナに委託)

②    大学生コーナー

③    留学生コーナー

④    情報コーナー

⑤    カウンセリングコーナー(木製仕様のカウンターが並ぶ)

⑥    ハローワークコーナー

⑦    労働相談コーナー

⑧    企業支援コーナー

・中小企業人材確保センター

⑨    はあとふるコーナー(はあとふるジョブカフェ)・・・障害のある人の就業支援

⑩    自立就労支援コーナー(ライフ&ジョブカフェ京都)

・  生活相談コーナー

・  京都自立支援就労サポートセンター・・・パーソナルサポートセンター

 

■京都テルサ東館2階男女共同参画センター内 マザーズジョブカフェ

①    女性再就職支援コーナー(カウンセラーによるアドバイス)

②    母子自立支援コーナー(母子家庭(ひとり親)の就業生活相談)

③    マザーズコーナー(ハローワーク)

④    ママさんコンシェルジュ(就業に伴う保育に関する相談&情報提供)

 

<考察・感想>

 京都駅から徒歩15分ほどのところに男女共同参画センターと京都府スポーツセンター

を一体化させた京都府民総合交流プラザ「京都テルサ」がある。ここは貸会議室やホール、

スポーツセンターといった府民向けの施設が並び、府民の健康づくりと文化の交流、各団

体の活動支援拠点である。そしてその京都テルサの西館3階フロアと東館2階フロアに京

都就業総合施設ジョブパークが設置されている。

西館3階のジョブパークは、入り口の正面に総合受付・相談窓口があり、来訪者は最初

にここでジョブカードを作成し、目的のコーナーへと進んでいく。京都府は2004年に全国4番目の若年者就労センター(ジョブカフェ京都)を設立しているが、同センターの機能やノウハウを生かし拡大したのがこのジョブパークという経緯もあり、総合窓口に近いところに大学生コーナー・留学生コーナーのブースがある。高齢者就労支援が一般的な中で、早くから若者の就労支援に力を入れている京都府の姿勢は評価できる。

専門的なカウンセリングを行うカウンターはすべてがぬくもりのある木造りの衝立と机・椅子のセットになっている。京都議定書を採択した京都を感じ、相談しやすい雰囲気が効果的に作り出されていることが想像される。若手人材コーナー、熟練人材コーナーなど年齢だけでなく、社会的ニーズのある福祉人材や重点産業の農林水産といった職種に合わせてもカウンセリングを受けるコーナーがある。同じフロアに国機関のハローワークがあるが、無機質なセットが並ぶのを見ると組織の違いを感じる。

職員は公務員だけではなく各コーナー別に民間に業務委託している。各コーナーのマネージメント企画も含めて総合窓口は、人材総合サービスを展開しているパソナに委託している。

企業支援コーナーでは新卒者向けに個別企業説明会や面接用身だしなみセミナーなど、

きめ細かい講座もあるが、就業を希望する側だけではなく「採用する企業」への支援コーナー(中小企業人材確保センター)もある。労働相談や企業の採用担当者向けのセミナーや企業PR発信力サポートと幅広く、就活・雇用、双方の情報交換の場として機能している。

障がいのある人の就業支援についても力を注いできている。障がい者の法定雇用率が2%になった現在より以前から2%をめざしてワンストップでの就労支援をすすめてきた。それは、相談(カウンセリング)から就労準備セミナーを経て、企業実習、そして職場定着支援を一連として行う「はあとふるジョブカフェ」である。京都府の積極的な姿勢として、2011年度から、障がいのある人を積極的に雇用する企業を認証しPRする、また、京都府の物品調達において地域貢献企業として優先調達を行う等も行っている。今年からはさらに、府内福祉事務所とジョブパークとの連携をとりつつ、ジョブパーク内に「京都自立サポートセンター」を開設。兼任だったセンター長を専任とし、連携推進員3名を配置して支援体制を強化している。就労まで結びつかないケースに対応すべく中間的就労や居場所を府内に確保し、一人ひとりに対して伴走型の支援を充実させるなど、時代のニーズに則していて、特に注目に値する。

 

絵本と共に子どもの遊び場付き

マザーズジョブカフェは男女共同参画センターの中にあり、一人ひとりのニーズに合わせた子育て・就業支援が行われている。子どものいない女性もこちらを利用することも可能で、行きやすい方を選んでいる。

カウンセラーによるアドバイス、母子家庭(ひとり親)の就業生活相談ハローワークの各コーナーとNPO委託のママさんコンシェルジュがある。

ママさんコンシェルジュは子育て情報誌をつくっているNPOが、就業に欠かせない保育園の情報や相談を提供している。また子ども連れでも安心して相談できるように、保育士が常駐する子どもの遊び場や授乳室も用意するなどきめ細やかな体制が評価できる。

さらに相談当日の面接というケースには、着替え用のスーツや靴も提供できる準備がされている。ちなみに使用料は無料で、使用後はクリーニングをして返却すればよいことになっている。行政の発想とは思えない柔軟な対応は参考にすべき事例である。

子育て・生活相談から就労に至るまで、まさにワンストップサービスが実践されており、利用者のニーズに添った取り組みが評価できる。

就活の心配事のひとつに、保育園が決まらなければ就職活動ができない、内定しても預ける保育園が決まらないと働けないという問題がある。多くの子育て中の女性が直面している。それを解決しているのが「安心ゆりかごサポート」制度。この制度では就職活動中や就職決定後に子どもの預け先がなければマザーズジョブカフェで一時保育をしてもらえる。就活中は無料、就業中は1日2100円と有料だが、最長1年間は利用できる。場所は1回500円で京都テルサの利用者も利用している「京都テルサ保育ルーム」を兼用している。

利用者アンケートでも面接時や就職後すぐに保育園に入れない場合など、安心につながると大変評価が高い。

同じフロアになるが「ワーク・ライフバランス」の担当部署があって、産業を所管する部署ではなく、男女共同参画センター内に置かれていることに驚いた。